肺の動静脈瘻がある場合の「歯科治療」時の予防的抗生物質投与に関して

肺の動静脈瘻(肺動脈と肺静脈の間のシャント)を持つ患者さんは、歯科治療時に予防的抗生物質投与が必要です。
同様に、傷を伴う外傷の時も予防的抗生物質投与が必要です。
これは抜歯などの治療時に、血液中に菌が入り菌血症状態になるからで、通常、菌血症になっても肺がフィルターとなるため、予防的抗生物質投与が無くても大きな問題になることはありません。
しかし、肺の動静脈瘻があれば、この部ではフィルターがないために静脈系から動脈系に菌が入り込み、もっとも重症の合併症である脳膿瘍になることがあります。
脳以外の部位にも膿瘍を作ることもあります.
脳膿瘍とは、脳そのものの中に膿が溜まる場合や脳の表面に膿が溜まる場合(硬膜下膿瘍と言います)があり、意識障害、けいれん、半身麻痺などが出現し、致命率も高く、治療を行っても後遺症を残す場合が多いです。
これを予防するために、歯科治療時や傷を伴う外傷の時には、予防的抗生物質投与が必要です。
投与する抗生物質や期間に決まったものはないですが、まず忘れずに、投与するということが大事で、その種類は、最も一般的な切り傷のとき使うもので、いいと思いますし、期間も3−4日もあれば十分でしょう。
また、遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)で肺の動静脈瘻の治療後の患者さんでも小さな瘻が残存している可能性があるため、やはり予防的抗生物質投与を行った方が良いとされています。
実際は、大きな肺動静脈瘻は、処置できていても、治療の対象にならない小さな瘻が、多数治療せずに残存したり、治癒したと思っていても(医師も患者も)、実際は、肺の動静脈瘻が閉塞していない場合もあるかもしれません。

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