指定難病227:遺伝性出血性末梢血管拡張症(HHT)
くり返す鼻血はサイン。
特定非営利活動法人 日本オスラー病患者会
特定非営利活動法人日本オスラー病患者会は、国の指定難病(告示番号227)である「オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症:HHT)」の患者さんやご家族が、ひとりで悩むことなく正しい医療情報につながり、安心して暮らせる社会を目指して活動している患者団体です。
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オスラー病(HHT)は、国内の推計患者数が約1万人とされる一方、実際に診断に至っている患者さんは約1割にとどまると言われており、医師・医療関係者の間でもまだ十分に認知されていない希少難病です。「たかが鼻血」と経過観察されているうちに、肺や脳の血管奇形から脳梗塞・脳膿瘍などの重篤な合併症を起こすこともあります。
当会は、同じ疾患を持つ患者・家族同士が支え合う場として2012年に発足し、2014年に設立された日本HHT研究会(HHT JAPAN)の専門医と連携しながら、全国各地での患者交流学習会・医療講演会、毎月第3土曜日の会員オンラインミーティング、診療可能病院の情報提供、ガイドブックの発行、国や関連学会への提言を行っています。
2026年には、患者会が中心となって働きかけてきた鼻血止血材料「サージセル」のオスラー病への効能追加承認・保険適用が実現し、独自に「鼻血止血ガイドブック」も作成しました。どうぞお気軽にご相談・ご参加ください。

🎀 【ご報告】鼻血止血材料「サージセル」がオスラー病に保険適用されました
患者会が中心となった署名・要望活動により、吸収性局所止血材「サージセル」のオスラー病(HHT)への効能追加承認・保険適用が実現し、2026年9月1日から患者さん自身が在宅でも使用できるようになりました。ご署名にご協力くださった皆様に心より御礼申し上げます。
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オスラー病の鼻粘膜にはもろい拡張血管が多発しているため、ガーゼを強く詰める圧迫止血を行うと、抜去時に粘膜やかさぶたが剥がれて処置前以上の再出血を誘発することがあります。
サージセルは血液に触れるとゲル状になって出血点をやさしく覆い、体内で分解・吸収されるため、抜去操作が不要です。処方・調剤については、医師・薬局(薬剤師)・医療関係者向けの専用ページをご覧いただき、主治医や薬局へご提示ください。
💧 【医療安全】肺動静脈奇形(PAVM)がある方の点滴・歯科処置の注意
肺動静脈奇形(PAVM)を合併している(または未検査の)オスラー病患者さんが点滴を受ける際は、脳梗塞や脳膿瘍を防ぐため「輸液フィルターの使用」と「気泡混入防止」が重要です。
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通常、静脈に入った微小な気泡・血栓・細菌は肺の毛細血管で取り除かれます。しかしPAVMがあると動脈と静脈が直接つながっている(右左シャント)ため、それらが肺を素通りして脳へ流れ込み、奇異性塞栓症(脳梗塞・一過性脳虚血発作)や脳膿瘍を起こす危険があります。
- 点滴時は輸液フィルター(エアベント付き)の使用を依頼してください。
- 側管注射・フラッシュ時もシリンジ内の気泡混入防止を徹底してもらってください。
- 抜歯・歯石除去などの歯科処置前は、脳膿瘍予防の抗菌薬予防投与について主治医・歯科医にご相談ください。
インフォメーション NEW!
オスラー病(HHT)の基礎知識・音声解説・セルフチェック
1. オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症:HHT)とは
オスラー病(Hereditary Hemorrhagic Telangiectasia、略称 HHT)は、鼻血がサインとなる全身性の血管疾患です。全身の血管に動静脈奇形や末梢血管拡張が生じる常染色体顕性(優性)遺伝の希少難病で、国の指定難病(告示番号227)です。
🎧 【音声解説】ナレーションで学ぶオスラー病
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【原因と血管の特徴】
通常、動脈と静脈の間には毛細血管があり、血流の勢いを調整しています。オスラー病では血管の形成に関わる遺伝子の変化により、一部で毛細血管が形成されず、動静脈奇形(AVM)や末梢血管拡張が生じます。
【主な症状】
鼻出血、貧血、頭痛・片頭痛、皮膚や粘膜の毛細血管拡張、肺・脳・肝臓・消化管の血管奇形など。
【オスラー病には複数のタイプがあります】
- HHT1:ENG遺伝子
- HHT2:ACVRL1(ALK1)遺伝子
- JP-HHT:SMAD4遺伝子(若年性大腸ポリポーシスを伴う)
【国際診断基準(キュラソー基準)】
① 繰り返す鼻出血 ② 皮膚・粘膜の毛細血管拡張 ③ 内臓病変(肺・脳・肝臓・脊髄・消化管のAVM) ④ 一親等以内の家族歴
※4項目のうち3項目以上で「確診」、2項目で「疑診」。
2. オスラー病の「くり返す鼻血」と、やさしい止血
患者さんの95%以上に鼻出血があり、生活の質(QOL)に大きく影響します。オスラー病の鼻血は一般的な鼻血とは異なり、強く押さえる・焼く処置で悪化することがあるため、やさしい止血が重要です。
⚠ 耳鼻科受診時に注意が必要な処置
- 電気焼灼
- ガーゼパッキング(抜去時の再出血)
- レーザー
- ボスミン液
受診時は「オスラー病であること」を必ず伝え、サージセル等の使用について医師にご相談ください。
3. もしかして?オスラー病セルフチェック
日常生活の中で「当てはまる項目」がないか確認してみましょう。早期発見・早期受診が健康を守る第一歩です。
☑ あなたやご家族にこのような兆候はありませんか?
- 子どもの頃から、または大人になってからも、頻繁に鼻血が出て止まりにくい
- 唇や舌、指先などに、消えない小さな赤い斑点がある
- 親、きょうだい、子どもに同じような鼻血の症状やオスラー病の人がいる
- 原因不明の貧血を指摘されたことがある、または息切れがしやすい
※複数当てはまる方、ご不安な方は、専門医療機関や当会までご相談ください。
▼ 続きを読む(疑いのある方・経過観察中の方へ)
「経過観察」のまま未診断で放置されている方も少なくありません。大切なのは、肺・脳・肝臓などの血管奇形の有無をスクリーニング検査で正しく調べ、適切な医療管理を受けることです。必要に応じて遺伝子検査も検討しましょう。脳梗塞などの重篤な合併症を未然に防ぐことにつながります。
4. 指定難病(告示番号227)の医療費助成と遺伝子検査
オスラー病は国の指定難病であり、医療費助成(特定医療費受給者証)や、保険診療による遺伝学的検査を受けることができます。
🎧 【音声解説】遺伝子検査について
▼ 続きを読む(助成制度と遺伝子検査)
【特定医療費(指定難病)助成制度】
難病指定医による診断書(臨床調査個人票)を保健所等へ提出して認定されると、医療費の自己負担が3割から2割に軽減され、所得に応じた月額上限額が適用されます。
【遺伝子検査とご家族へのサポート】
遺伝子検査(血液検査)により、ご家族のリスクを早期に把握し、重篤な合併症の予防につなげることができます。妊娠・出産に関するご不安も含め、専門病院の遺伝カウンセリング外来や当会へご相談ください。
5. 臓器別の音声解説(肺・肝臓)
解説動画・資料
新着記事・お知らせ
- 2026.09.05オスラー病(HHT)肝臓病変解説
- 2026.09.04「サージセル」について日本循環器協会ホームページ及びプレスリリースが配信されました
- 2026.09.01日本オスラー病患者会IN「札幌2026」【終了しました】
- 2026.08.28静注鉄剤 フェインジェクトに関するFDAからの安全性の警告
- 2026.08.22医師・薬局(薬剤師)・医療関係者必見!「サージセル」健康保険適用になりました
- 2026.08.09日本オスラー病患者会IN「愛知(名古屋)2026」終了
- 2026.08.01患者会の問題提起により難病情報センターの情報が一部改善されました
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- 2026.07.18日本オスラー病患者会IN「福岡2026」終了しました
- 2026.07.12肺高血圧症(PH)とオスラー病の肝血管奇形による肺高血圧症の違いに注意
- 2026.06.01医師、検査技師向けHHT診断・画像検査推進プロセス
- 2026.05.23第127回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 パネルディスカッションに登壇し講演を行いました
- 2026.05.23後頭葉の脳梗塞とは
- 2026.05.19鼻血止血材料「サージセル」のオスラー病/HHTに関する効能追加承認・保険適用完了について
- 2026.05.19オスラー病「鼻血ガイド」及び「鼻血・基礎編」ガイドブック
- 2026.04.26オスラー病(HHT)医療者向け啓発資料Ver1.0
- 更新オスラー病の鼻血(患者・耳鼻科医編)Vol.4.0(2026.8更新)
- 開催報告日本オスラー病患者会「IN仙台2026」【終了しました】
- 開催報告中国地域で初開催!「日本オスラー病患者会2026 in 広島」
- 開催報告日本オスラー病患者会「2026大阪」
患者会の活動・ご参加・ご支援
希少難病だからこそ、自分で知り、患者同士でつながる
当会では、全国の患者さん・ご家族が孤立せず情報交換できるよう、全国各地での患者交流学習会や、会員限定のオンラインミーティングを開催しています。
💻 メンバー限定 患者会ミーティング(Zoom)
毎月第3土曜日 20:00〜21:30 / 情報交換と相談会(テーマ自由)
次回:2026年11月21日(土)
▼ 続きを読む(日本HHT研究会との歩み・ご支援のお願い)
【日本HHT研究会(HHT JAPAN)との歩み】
2012年に設立された当会と、2014年に設立された日本HHT研究会は連携して活動しており、診療ガイドラインも合同で作成しています。
【患者会からのお願い】
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【特定非営利活動法人 日本オスラー病患者会 事務局】
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