この病気による鼻出血は日常生活に大きな影響を与え適切な対応が求められます。しかし、多くの問題点が存在し、患者さんやその家族にとっては大きな課題となっています。

1. 頻繁に繰り返す鼻出血

オスラー病の患者さんは、普通の人よりもはるかに頻繁に鼻出血を経験します。この繰り返し発生する鼻出血は、患者さんの日常生活や仕事に大きな障害をもたらすことがあります。

2. 耳鼻科医による診療拒否

残念ながら、オスラー病に対する理解が不足しているためか、耳鼻科の医師による診療拒否が報告されることがあります。これにより、適切な治療を受ける機会が限られてしまう場合があります。

3. 不適切な処置の問題

一般的な鼻出血の治療法と同じ方法がオスラー病の患者さんにも適用されることが多いですが、これが逆効果になることがあります。オスラー病においては、血管が非常に脆いため、強く鼻をつまんだり、電気焼灼術、パッキング、レーザー止血などの処置が逆に出血を悪化させることがあります。

4. 専門医の受診が重要

オスラー病の鼻出血に対しては、この病気を理解し、適切な治療を提供できる専門医の受診が推奨されます。専門医による適切な診断と治療は、出血の頻度を減少させ、患者さんの生活の質を向上させることができます。

まとめ

オスラー病は日常生活に影響を及ぼす可能性のある重要な病気であり、患者さんと医療提供者の間での理解と協力が不可欠です。患者さん自身が病気について知識を持ち、専門医の受診を心がけることが、この病気による困難を克服する鍵となります。

実践編鼻血の問題点と対処法

※詳細は HHTQ&A50冊子click P14~17参照

鼻血の日常のケアと止血はどうすればいいですか

基本は保湿(ワセリンや純蜂蜜の塗布:蜂蜜アレルギーには注意)

トランサミン錠などの止血剤服用(医師に相談する)

※緊急時以外は止血の電気焼灼術、レザーは不可です。止血困難になったり、血管拡張が憎悪する可能性があります。
メンバーにもこれらの処置をくり返したために止血困難になり毎週救急搬送され輸血を行っている方もいます。

緊急時であってもサージセルなどの止血材料を使用し軽く圧迫止血する事が基本です。
重症(命に関わるような状況)でやむを得ない場合を除き「パッキング」(ガーゼを鼻中に詰め込む)することは、オスラー病の多数ある「もろい血管」を傷つけてしまい処置(治療)後に鼻血が憎悪すし止血困難になるケースが後を絶ちません。

自身で申告出来ない方は以下のPDFを印刷して、主医師に渡して下さい。

オスラー病を疑うコツと鼻出血への対応の要諦(市村 恵一 石橋総合病院)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrhi/57/1/57_107/_pdf

全国的のオスラー病の鼻血に対する耳鼻科では、全国的に拒否される事例が多いため、1時間以上止血出来ない場合にはためらわず119通報してください。(長時間の出血は心臓に負担が掛かるため)
専門医が少なく地域によっては非常に少ない状況が継続しています。
夜間や休日の止血困難の鼻血や出血は救急搬送時に相当な時間を要することがあります

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