ナレーション「オスラー病」の鼻血ケア
患者会主導活動と実績
止血材料サージセルがあれば、患者による自己止血可能です。
経緯(是非ご覧ください)
2012年に患者会設立後くり返す鼻血の対策を、耳鼻科医等に要望してきましたが改善のかけらもないまま10年以上放置された歴史があります。その後、心ある一部の耳鼻科医師などからサージセルの供給がありましたが2024年4月に処方から手術材料に変更されたため患者は使用出来なくなりました。
患者会として医療関係者に交渉するも無理の一言で改善されることはありませんでした。
最も最適な止血材料は医療用(手術材料)の「サージセル」です。
しかし、処方薬から手術材料にいきなり「制度改定」されたため入手できない状況になっていまい、当団体が加盟する一般社団法人日本循環器協会 代表理事 小室一成医師に協力要請を行うと共に問題提起の署名活動を行い2万人を超える多くの方々から賛同署名を頂き以下の交渉を開始しました。
患者会理事長が2025年9月から厚生労働省と協議を重ね年末に患者会会員に対して緊急配布を行い止血効果の有用性について調査したところ80%の患者が自己止血し鼻血の回数・量共に減少し直ぐに止血出来たなどの調査結果となりました。
これは患者のQOL改善・貧血の改善・救急搬送大幅減少・医療機関の負担軽減・医療費抑制に寄与した結果となりました。その後も患者会主導で協議を継続し2026年5月1日C1効能追加承認が行われ同年5月13日に承認され、7月19日現在中央薬事審議会などで保険適用・特定疾患適用など協議が継続されています。
しかし、患者会では直ちに患者に処方できるように要望しています。
現在の状況では2026年9月以降認可される可能性があるとの情報があります
オスラー病の「くり返す鼻血」
オスラー病(HHT)の患者さんの95%以上に、日々くり返す鼻出血に悩まされています。
これらの出血は、単なる一時的な症状ではありません。
突然出血することへの恐怖、止血できない不安、貧血による体調不良、外出先や職場・学校での不安などが日常的に続き、患者さんの生活の質、いわゆるQOLを大きく低下させることがあります。
中には、出血への不安から外出を控えたり、学校生活や仕事に支障が出たり、進学・就労・人間関係にまで影響を受けている患者さんもいます。
また、頻回の鼻出血により慢性的な貧血をきたし、強い疲労感、息切れ、集中力の低下などが生じることもあります。
オスラー病の鼻血は、「よくある鼻血」や「体質」として片づけられるものではありません。
患者さんにとっては、毎日の生活を左右する深刻な症状であり、適切な理解、止血ケア、医療的支援が必要です。
鼻血の止血法と耳鼻科受診について
― オスラー病の鼻血は「一般的の鼻血」とは異なります ―
オスラー病(HHT)の鼻出血は、一般的な鼻血とは血管の状態(鼻腔内多発性毛細血管出血)です。
オスラー病では、鼻粘膜の毛細血管が拡張し、非常にもろく出血しやすい状態になっているため、一般的な鼻血と同じ処置が、かえって症状を悪化させることがあります。
そのため、オスラー病の鼻出血に詳しくない医師や医療機関で処置を受ける場合には、患者自身も基本的な注意点を理解し、オスラー病に詳しい医師へ相談することが大切です。
注意が必要な処置
1.電気焼灼術について
一般的な鼻血では、出血部位を電気で焼灼する処置が行われることがあります。
しかし、オスラー病の鼻出血では、血管そのものがもろく、広い範囲に毛細血管拡張が存在するため、電気焼灼をくり返すことで鼻粘膜に負担がかかり、鼻中隔穿孔などを生じる可能性があります。
また、出血が強い状態で電気焼灼を行っても、十分な止血効果が得られにくく、血液を焦がすだけになってしまう場合もあります。
2.ガーゼパッキングによる止血について
鼻の中に多量のガーゼを詰め込むパッキング止血も、オスラー病の患者さんでは注意が必要です。
ガーゼの挿入や抜去の際に、周囲のもろく拡張した毛細血管を傷つけ、かえって出血部位が増えたり、止血困難となることがあります。
3.レーザー治療について
レーザー治療は、症状や病変の状態によって選択されることがありますが、くり返し行うことで鼻粘膜への負担が大きくなり、重症化につながる場合があります。
治療の適応や回数については、オスラー病の鼻出血に詳しい医師と十分に相談することが重要です。
4.ボスミン液などの使用について
一般的な鼻出血では、血管収縮作用のある薬剤が使われることがあります。
しかし、オスラー病の鼻出血は、血管構造そのものの異常によって起こるため、ボスミン液などが十分な効果をほぼ示さない場合があります。
オスラー病の鼻血止血の基本は、やさしい(ソフトケア)止血が重要です
オスラー病の鼻出血では、強く鼻をつまむ、強く押さえる、ガーゼを無理に詰めるといった処置により、周囲のもろい毛細血管を傷つけてしまい
その結果、出血箇所が増えたり、かえって出血が悪化し止血困難などになる可能性があります。
そのため、耳鼻科などで止血処置を受ける場合には、オスラー病の鼻血であることを必ず伝え、可能であれば、「サージセル」などの止血材を用いた、鼻粘膜を傷つけにくい止血方法について相談することが重要です。
患者さん自身も、「オスラー病の鼻血は一般的な鼻血とは違う全身疾患」→鼻腔内多発性毛細血管出血であることを理解し、医師に伝えられるようにしておくことが重要です。
ただし、大量出血、意識障害、強い息苦しさ、急激な貧血症状など、生命に危険がある場合や緊急時には、医師・救急隊の判断に従ってください。
医療体制に関しては全国的に専門医が少なく地域によっては非常に少ない状況が継続しています。
夜間や休日の止血困難の鼻血や出血は救急搬送時に相当な時間を要することがあります。
オスラー病の血管構造

オスラー病の鼻血は、一般的な鼻血とは異なる特別な血管構造(毛細血管拡張巣、またはテレアンギエクタジー)が原因であるため、その止血治療も独特のアプローチが必要となります。
オスラー病の鼻血の特徴と一般的な鼻血との違い
まず、オスラー病の鼻血の止血治療を理解するために、その特徴を再確認しましょう。
以下がオスラー病患者の鼻腔内画像です。





原因となる血管構造の異常: オスラー病では、動脈と静脈が毛細血管を介さずに直接つながる動静脈奇形や、脆弱で拡張した毛細血管(毛細血管拡張巣)が鼻粘膜に多数形成されます。
血管の脆弱性: これらの異常な血管は非常に薄く、破れやすいため、わずかな刺激でも出血します。
止血機能の低下: 正常な血管のように収縮して出血を止める機能が乏しいため、一度出血すると止まりにくいのが特徴です。
頻度と量: 日常的に頻繁に、かつ多量の出血を繰り返すことが多く、慢性的な貧血の原因となります。
一般的な鼻血は、鼻中隔のキーゼルバッハ部位など、比較的限られた範囲からの出血で、圧迫や電気凝固などで比較的容易に止血できます。しかし、オスラー病の鼻血は、鼻腔全体に広がる複数の血管拡張巣から出血する可能性があるため、より専門的なアプローチが必要です。
オスラー病の鼻血に対する止血治療
オスラー病の鼻血の止血治療は、大きく分けて対症療法(出血を止める、軽減する)と根本療法(病変を治療する、予防する)に分かれますが完全止血は出来ません。いかに上手く付き合うかが課題です。
対症療法(出血時または出血リスクが高い場合)
出血している時の応急処置や、出血頻度を減らすための治療です。
鼻腔パッキング(圧迫止血):❌❌❌❌❌
出血時に、ガーゼやスポンジ、専用の止血剤を含んだパッキング材を鼻腔内に挿入し、出血部位を圧迫して止血を試みます。
ただし、オスラー病の血管は非常に脆弱なため、無理なパッキングはかえって粘膜を傷つけ、新たな出血を誘発する可能性があります。
専門医は、出血部位を特定し、最小限の力で効果的に圧迫できるよう慎重に行います。
局所的な血管収縮剤:❌❌❌❌❌
血管収縮剤を含んだ薬剤を局所的に塗布したり、含浸させたガーゼを留置したりする方法です。
あくまで一時的な効果であり、根本的な治療では無くほぼ増悪します。
レーザー治療:❌❌❌❌❌
Nd:YAGレーザーやKTPレーザーなどを用いて、出血している血管拡張巣を凝固・蒸散させて止血する方法です。
出血部位をピンポイントで治療でき、周囲組織へのダメージを抑えられるため、オスラー病の鼻血に対する重要な治療法の一つです。
ただし、レーザー治療も血管拡張巣が再生するため、定期的な治療が必要となり増悪することが多いです。
サージカルダイアテルミー(電気凝固):❌❌❌❌❌
電気メスを用いて、血管を焼灼し止血する方法です。レーザーと同様に、出血部位を凝固させます。
鼻粘膜への負担も考慮し、慎重に行われます。
生命に危機以外には推奨されません、くり返すと鼻中隔穿孔(鼻粘膜に穴が開き)で止血困難になります。
根本療法・予防的治療
出血の頻度や量を長期的に減らすことを目的とした治療です。
経鼻内視鏡下手術:
内視鏡を用いて鼻腔内を詳細に観察し、広範囲にわたる血管拡張巣に対して、レーザーや電気凝固をより精密に行う手術です。
場合によっては、広範囲の粘膜剥離術や皮膚移植術(ヤング手術など)が検討されることもあります。これらの手術は、異常血管の新生を抑制し、長期的な止血効果を期待しますが、鼻腔機能に影響を及ぼす可能性もあるため、適応は慎重に検討されます。
全身薬物療法
トラネキサム酸の内服: 血液の凝固を促進する作用があり、出血量を軽減する目的で内服されることがあります。
トラネキサム酸:◯ 基本薬
アドナは❌
ワセリン・馬油・医療用蜂蜜(保湿剤)の使用:◯
鼻粘膜の乾燥は出血を誘発するため、ワセリンなどの保湿剤を鼻腔内に塗布し、粘膜を保護することが推奨されます。
特に乾燥する季節や場所では有効な予防策です。
治療上の重要な注意点
専門医との連携: オスラー病の鼻血治療は、一般的な耳鼻咽喉科医では対応が難しい場合が多く、オスラー病に詳しい耳鼻咽喉科医や、総合病院のHHT専門外来などでの診察が不可欠です。
個別化された治療: 患者さん一人ひとりの出血の程度、血管拡張巣の分布、全身状態によって、最適な治療法は異なります。
継続的な治療: 血管拡張巣は再生することが多いため、多くの治療は単回で完結せず、定期的な経過観察と繰り返し治療が必要となることを理解しておく必要があります。
貧血管理: 鼻血による慢性的な貧血は、全身倦怠感や心臓への負担につながるため、鉄剤の補充や、場合によっては輸血が必要となることもあります。血液内科との連携も重要です。
オスラー病の鼻血は患者さんの生活の質を大きく低下させる要因ですが、改善はされていないため患者のQOLは低下しているため、より効果的な管理が可能になってきています。諦めずに専門医と連携し、ご自身に合った治療法を見つけることが大切です。
患者会推奨止血ケア法
①日常からトランサミン錠服用:医師に相談
②日常からワセリンによる保湿
③綿球No20~12よる止血(空気を遮断)
サージセル・プラスモイストHS-Wなどの止血剤があれば、
1,1/3~1/4程度に薄く剥がす
2,綿球を手のひらで圧迫し細くする。
3,止血材料を8mm×10mm程にする
4,それを綿球に乗せて出血点に誘導し出血点を軽く押さえて5~10分程度落ち着いて様子を見る。
⑤下を向かないよう正面を向き、鼻に圧がかからないようにして、口で深呼吸なとで血圧を安定さす
⑥水分補給(スポーツドリンクを50%程に薄めたもの)
日常の管理と出血の多いときの注意事項
服用薬剤の出血傾向の確認 インターネットで自分で確認がベストです。 薬剤師に聞くときはオスラー病の症状を知っているか確認が必要です。
オスラー病(遺伝性出血性毛細血管拡張症)の患者さんにとって、血液をサラサラにする作用を持つ食品や薬剤は、出血傾向を悪化させる可能性があるため、特に注意が必要です。血管が脆弱なオスラー病の患者さんの場合、一般的な止血機能が低下しているため、血液が固まりにくくなることで、より頻繁に、より多量の出血を招くリスクが高まります。
ここでは、血液をサラサラにする(抗凝固作用や抗血小板作用を持つ)代表的な食品や薬剤について解説します。
オスラー病の注意事項:血液をサラサラにする代表的な食品・薬剤
【重要事項】
以下に挙げるものは、必ずかかりつけの医師やHHT専門医に相談してから摂取・使用するようにしてください。 自己判断での摂取・使用は、重篤な出血を引き起こす可能性があります。
血液をサラサラにする代表的な薬剤(抗凝固薬・抗血小板薬)これらは、心血管疾患(心筋梗塞、脳梗塞、不整脈など)の予防や治療、血栓症の治療などに用いられる薬剤で、オスラー病患者さんにとっては特に注意が必要です。
抗血小板薬(血小板の働きを抑える)
アスピリン(低用量アスピリン、バファリン配合錠Aなど):最も一般的な抗血小板薬。脳梗塞や心筋梗塞の予防によく使われます。
クロピドグレル(プラビックス)
チクロピジン(パナルジン)
プラスグレル(エフィエント)
シロスタゾール(プレタール):脳梗塞の再発予防や、閉塞性動脈硬化症に用いられることもあります。
抗凝固薬(血液の凝固そのものを抑える)
ワルファリン(ワーファリン):昔から使われている経口抗凝固薬。納豆や青汁などビタミンKを多く含む食品との相互作用があります。
DOAC(直接作用型経口抗凝固薬):近年普及している新しいタイプの抗凝固薬。
ダビガトラン(プラザキサ)
リバーロキサバン(イグザレルト)
アピキサバン(エリキュース)
エドキサバン(リクシアナ)
ヘパリン(注射薬):手術前後や急性期の血栓症治療に用いられることが多いです。
血液をサラサラにする可能性のある食品・サプリメント
これらの食品やサプリメントは、薬ほどの強力な作用はありませんが、多量に摂取したり、他の薬剤と併用したりすることで、出血傾向に影響を与える可能性があります。
- ビタミンEを多く含む食品・サプリメント
- ナッツ類(アーモンド、ヘーゼルナッツなど)
- 植物油(ひまわり油、サフラワー油など)
- アボカド
- サプリメントとしてのビタミンE
- ※ビタミンEは抗酸化作用や血行促進作用がありますが、過剰摂取は出血傾向を高める可能性があります。
- EPA/DHA(オメガ-3脂肪酸)を多く含む食品・サプリメント
- 青魚(イワシ、サバ、マグロ、サンマ、カレイなど)
- アマニ油、えごま油
- 魚油サプリメント
- ※これらの脂肪酸は抗炎症作用や血栓予防作用が知られていますが、過剰摂取は出血時間を延長させる可能性があります。
- ポリフェノールを多く含む食品
- 赤ワイン、ブドウジュース
- 玉ねぎ、ニンニク
- 緑茶
- ※一部のポリフェノールには抗血小板作用や抗凝固作用が報告されていますが、通常の摂取量であれば問題になることは少ないと考えられます。しかし、大量摂取やサプリメントは注意が必要です。
- 納豆
- ナットウキナーゼという酵素が含まれており、血栓を溶かす作用(線溶作用)があると言われています。ワルファリン(ワーファリン)との併用は禁忌とされています。
- 生姜、ターメリック(ウコン)
- これらの香辛料にも、血液凝固を抑制する作用が報告されています。大量摂取やサプリメントは注意が必要です。
- ハーブ類
- ギムネマ、イチョウ葉エキス、セントジョーンズワートなど、一部のハーブには血小板機能や血液凝固に影響を与える可能性が示唆されています。サプリメントとしての摂取は特に注意が必要です。
【オスラー病患者へのアドバイス】
- ギムネマ、イチョウ葉エキス、セントジョーンズワートなど、一部のハーブには血小板機能や血液凝固に影響を与える可能性が示唆されています。サプリメントとしての摂取は特に注意が必要です。
- 自己判断しない: 鼻血が多いからといって、勝手にこれらの食品を避けたり、逆に積極的に摂ったりすることは避けてください。
- 摂取量に注意: 日常的な食事で、これらの食品をバランス良く摂る分には問題ないことが多いですが、サプリメントとして濃縮されたものを摂取する場合は、必ず医師に相談してください。
- 情報共有: 診察を受ける際は、現在服用しているすべての薬剤(市販薬、漢方薬、サプリメント含む)について、必ず医師に伝えてください。
オスラー病の治療目標は、出血をコントロールし、患者さんの生活の質を向上させることです。そのためには、出血傾向を悪化させる可能性のある要因を理解し、適切に管理することが非常に重要です。
鼻出血時の注意事項!
- 電気焼灼術、レーザー、ガーゼ挿入、薬剤による止血は生命の危機あるとき以外は禁止
- 圧迫や強い圧迫止血は厳禁:周りの脆い拡張している血管を更に破壊してしまうため。以下の画像参照*1
- ティッシュペーパー使用禁止
- 必ず柔らかい綿球を使用する
- 下を向かない:正面を向き鼻の血管に圧力がかからないようにする
- 綿球で空気を遮断、綿球は奥まで入れない
- 出血時の水分補給(薄めのスポーツドリンク)を行い血圧を下げるように努める
- 鼻充血を避ける:酷い時は市販の点鼻薬を規定の1/2程使用する
- 耳鼻科医には鼻をつままさない
- サージセルなど止血剤を使用するよう要望する
たかが鼻血ではありません!!→鼻腔内多発性毛細血管出血です
オスラー病患者の鼻血止血法は一般の鼻血止血法とは全く異なります。
しかし、耳鼻科医・看護師・救命士が「オスラー病」の鼻血止血法を知らないため、重篤な症状にされる患者が多数います。
多くの問題点が存在し、患者さんやその家族にとって大問題で生命維持にも影響するものです。
くり返す鼻出血は日常生活(QOL)に大きな影響を与え、適切な医療対応が求められます。
。
薬局やドラッグストアで購入出来る可能性がある止血材料は、「チケア」「プラスモイストHS-W」等ですがサージセルには効果が劣ります。
使用法は以下の通りで少量で出血部分に当たればほぼ止血可能です。
なお、強い圧迫止血は厳禁です。
意外と効果あります:控えるべき主な「血液をサラサラにする」食品・サプリ一覧
| 成分/食材 | 特徴・作用 | 補足 |
|---|---|---|
| EPA/DHA(青魚、魚油) | 血小板の凝集抑制=出血傾向を強める | サプリでの大量摂取は特に注意 |
| ビタミンE | 抗酸化作用+抗凝固作用 | サプリで高容量になると影響あり |
| にんにく・生姜・玉ねぎ | 血栓予防作用が強い | 生・サプリでの多量摂取に注意 |
| 納豆(特にナットウキナーゼ) | フィブリン溶解作用がある(血栓溶解) | 出血中は避けることが推奨される |
| クルミ・アーモンドなどのナッツ類 | ビタミンEが豊富 | 適量なら問題ないが、サプリと併用注意 |
| ウコン(ターメリック) | クルクミン成分に抗血小板作用 | 健康食品やドリンクによく含まれる |
| ビタミンC(高用量) | 血管透過性や抗凝固作用に影響あり | 通常の食品量では問題ない |
| 高濃度ポリフェノール(赤ワイン、緑茶抽出物など) | 血小板抑制作用あり | サプリや濃縮ドリンクは控えめに |
鼻血が頻発・重度のとき 止血が長時間かかるとき 鉄欠乏性貧血を合併しているとき 鼻の手術・処置の直前直後
このようなときには、上記の「血液さらさら成分」は一時的に避ける/控えることが望ましいです。
オスラー病患者の鼻腔内血管状況
毛細血管拡張(Telangiectasia)
- 鼻腔内の毛細血管が異常に拡張し、表面に近くなるため非常に脆くなります。
- これらの血管は正常な血管よりも薄く、破れやすいため、軽微な刺激や温度変化でも出血しやすくなります。
- 毛細血管拡張は主に鼻中隔、鼻翼、鼻孔周囲に見られます。
鼻出血の頻度と重症度
- 鼻出血はオスラー病患者のほぼ全員に見られる症状で、頻度や重症度は個人によって異なります。
- 出血の頻度は週に数回から毎日、出血量も少量から大量まで幅があります。
- 重症の場合、出血が止まりにくく、貧血や鉄欠乏症を引き起こすことがあります。
- 加齢により増加する傾向があります。
出血の引き金
- 乾燥した空気、アレルギー反応、風邪などの鼻粘膜の炎症が出血を引き起こしやすくなります。
- 物理的な刺激(鼻をかむ、鼻を触るなど)、くしゃみ、下を向くなども出血の原因となります。
鼻腔内画像*1
予防措置
- 鼻腔内を湿らせるためにワセリンや純蜂蜜の塗布(蜂蜜アレルギーには注意)、生理食塩水スプレーや加湿器の使用が推奨されます。
- 刺激を避けるために、鼻を強くかむのを避け、アレルギーの管理を行います。
推奨されない局所治療
- 強い圧迫止血 これにより他の血管も破損し更に出血を起こしてしまう。
- 電気焼灼術・化学薬品を用いて異常血管を焼灼し、一時的に出血を防ぎますが、その後重篤な症状になる患者が多い。
- レーザー治療:拡張した毛細血管をレーザーで焼灼することで出血を減らしますが、その後重篤な症状になる患者が多いです。
薬剤
- トランサミン(止血剤)・アドナは鼻血増える患者多数、服薬中止で改善し止まる方もいますので推奨していません。
重症例の治療
- 鼻粘膜の再建手術や移植手術が検討される場合があります(十分慎重な検討が必要です)。
- 緊急の場合は鼻タンポンやカテーテルを用いた圧迫止血が行われます。一時的に効果はありますが、周辺の脆い拡張血管を破壊するため重篤な症状になることがあるので注意が必要です。
生活管理
日常生活の工夫
- 鼻腔内を乾燥させないよう注意し、加湿器や生理食塩水スプレーを使用する。
- 衝撃を避けるため、スポーツや激しい運動は控える。
- 出血が頻繁に起こる場合は、医師の指導の下、鉄剤の補給や輸血を行う。
定期的な医療チェック
- 専門医による定期的な検査を受け、適切な治療と予防策を継続的に行うことが重要です。
オスラー病の鼻腔内の血管状況は非常にデリケートで、適切な管理と治療が不可欠です。患者会やHHTJAPANなどの医療専門家との綿密な連携を通じて、出血の頻度や重症度をコントロールし、生活の質を向上させることが目指されます。
よくある問題とその対処法
1. 頻繁に繰り返す鼻出血 オスラー病の患者は、普通の人よりもはるかに頻繁に鼻出血を経験します。この繰り返し発生する鼻出血は、患者さんの日常生活や仕事に大きな障害をもたらすことがあります。
2. 耳鼻科医による診療拒否の問題 残念ながら、患者会にはオスラー病に対する理解が不足しているため、耳鼻科の医師による診療拒否が報告されることがあります。これにより、オスラー病の診断・適切な治療を受ける機会が限られてしまう場合があります。
3. 不適切な処置の問題 オスラー病の患者に一般的な鼻出血の治療と同じ治療が行われることがあり、これが逆効果になり重症化することがあります。オスラー病においては、鼻の血管が非常に脆いため、強く鼻をつまんだり、電気焼灼術、パッキング、レーザー止血などの処置が逆に出血を悪化させます。これらを防ぐにはオスラー病に詳しい耳鼻科医を探すか、医師に明確に主張することが重要です。
4. 専門医の受診が重要 オスラー病の鼻出血に対しては、この病気を理解し、適切な治療を提供できる専門医の受診が推奨されます。専門医による適切な診断と治療は、出血の頻度を減少させ、患者さんの生活の質を向上させることができます。
まとめ
オスラー病は日常生活に影響を及ぼす可能性のある重要な病気であり、患者さんと医療提供者の間での理解と協力が不可欠です。患者さん自身が病気について知識を持ち、専門医の受診を心がけることが、この病気による困難を克服する鍵となります。
実践編:鼻血の問題点と対処法
耳鼻科などで止血処置を受ける場合
- 「サージセル」などの止血剤で治療するように要請することが必要です。
- 詳細は、HHT Q&A冊子(P14~17)を参照。
鼻血の日常のケアと止血
- 基本は保湿(ワセリンや純蜂蜜の塗布:蜂蜜アレルギーには注意)
- トランサミン錠などの止血剤の服用(医師に相談する)
- ティッシュペーパーの使用禁止
- 緊急時以外は止血の電気焼灼術やレーザーは不可です。止血が困難になったり、血管拡張が憎悪する可能性があります。メンバーの中には、これらの処置を繰り返したために止血困難になり、毎週救急搬送され輸血を行っている方もいます。
緊急時
- サージセルなどの止血材料を使用し、軽く圧迫止血することが基本です。
- 重症(命に関わるような状況)でやむを得ない場合を除き、「パッキング」(ガーゼを鼻腔に詰め込む)することは、オスラー病の多数ある脆い血管を傷つけてしまい、処置後に鼻血が悪化し止血困難になるケースが後を絶ちません。
オスラー病の患者には「ボスミン」による血管収縮は期待できず、ガーゼを抜こうとすると再出血の原因となるため、ガーゼパックの操作は意味がないとされています。
患者会には多くの相談が寄せられてきています。
(運営は患者がボランティアで対応しています)
問合せには、ホームページ「問合せフォーム」「メール」を御利用下さい。
なお、ネットできない方に限り電話での対応を行っています。
参考資料
鼻血止血ガイドブック
自身で申告できない方は以下のPDFを印刷して、主治医に渡してください。


