HHT Q&A50より引用

Q1.動静脈瘻(どうじょうみゃくろう)・動静脈奇形・シャントなどの言葉がよく出て来ますが、どんなものか、説明してください.

A1. 血液は動脈-細動脈-毛細血管-細静脈-静脈の順に流れていますが(図1A)、動脈と静脈が正常の毛細血管を介さずに直接つながってしまった状態を動静脈シャント(短絡)といいます.動静脈シャントは様々な血管奇形で認められますが、その代表が動静脈奇形や動静脈瘻です.いずれも細静脈を含む毛細血管の部分に病変があり、動静脈奇形は動脈と静脈がナイダスと呼ばれる異常血管を介してつながっており(図1B)、動静脈瘻は直接つながっています(図1C).また動静脈瘻では短絡部の静脈が瘤状に拡張している(静脈瘤)ことが多いです.短絡部の手前の動脈を栄養動脈、すぐあとの静脈を流出(導出)静脈と呼びます.動静脈瘻や動静脈奇形では毛細血管を介さないため血流は正常よりも速く、流出静脈には正常よりも高い圧がかかっており、太く拡張しています.両者とも全身のどこにでもできますが、オスラー病の患者さんでは肺、脳、肝臓に多く認められます.

  1. Whitehead KJ, et al: Arteriovenous malformtaions and other vascular malformation syndromes. Cold Spring Harb
    Perspect Med 3:a006635.doi:10.1101/cshperspect.a006635, 2013

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