オスラー病の複雑性と患者の苦労

オスラー病は全身に症状が現れる全身疾患です。具体的には、以下のような部位や診療科に関連する問題が生じます:

  • 脳、眼、鼻、口腔、肺、胃、腸、皮膚など、多岐にわたる影響
  • 必要に応じて受診する科:脳外科、耳鼻咽喉科、口腔外科、消化器内科・外科など

これに加え、病状を総合的にコーディネートできる医師の数が非常に少ないため、患者が適切な治療を受けるまでに長い時間がかかることが少なくありません。また、以下のような具体的な症状に苦しむ患者が多く見受けられます:

  • 日々くり返す鼻血や口腔内出血、消化管出血
  • 肺動静脈瘻(肺の血管奇形)
  • 肝性肺高血圧(特にタイプ2で多く見られる)

早期に診断し、適切な治療を行うことで、これらの症状の悪化を防ぐことが可能です。


遺伝子検査の重要性とその課題

オスラー病には1~4のタイプが存在し、遺伝子検査によりこれを特定することが治療方針や予後の判断に大いに役立ちます。しかし、現状では患者が検査を希望しても、遺伝カウンセリングの担当医やカウンセラーから「検査の必要性がない」と否定されるケースが少なくありません。このような対応は、患者が最適な治療を受ける機会を奪うものであり、大きな課題といえます。


誤診と不適切な治療への対策

患者会で特に話題となったのが、オスラー病の鼻血止血に関する誤診や不適切な治療です。以下のような対応が、患者の症状を悪化させるリスクを高めています:

  • 電気焼灼術やレーザー治療の繰り返し
  • 強い圧迫止血

これらの治療が原因でさらに重篤な症状に陥るケースも少なくありません。そのため、耳鼻咽喉科医や救急隊員に対する啓蒙活動が急務です。


まとめ:患者の声を医療へつなぐために

オスラー病は、稀少な疾患であるがゆえに、医療現場での認知度が低い一方で、患者にとっては生活の質を著しく左右する病気です。患者が適切な診断と治療を受けるためには、以下の取り組みが重要です:

  1. 診断・治療に関する情報提供と患者支援の強化
  2. 遺伝子検査の重要性を認識し、患者の希望に応じた検査体制の整備
  3. 医療従事者への啓発活動を通じた正しい知識の普及
  4. 専門医の受診が重要

オスラー病患者が安心して治療を受けられる社会を目指して、引き続き情報発信と活動を続けていきます。患者会へのご参加や、情報共有へのご協力を心よりお待ちしております。


患者やご家族の皆さまが直面する問題や取り組みについて、皆さんと共有しながら、よりよい医療環境を目指していきたいと考えています。ぜひお気軽にご意見やご感想をお寄せください!

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